再開発の仕事をしていると「組合の人は何度も来る。できるだけ自分で話し合いたい」という人が多い。しかし組合が話し合いのテーブルにいつでも乗るというポーズをとるのは途中まで。ある時点を境に大きく変わるのが通常だ。その「ある時点」というのは権利変換計画認可決定前後あたりだ。ここまで来ると組合は交渉には容易に応じず、明渡しを求める内容の文書を顧問弁護士などが内容証明郵便で送ってくるだけになる。これはもう明渡しの強制執行を視野に入れているからだ。このへんの強引さは組合(コンサル、デベロッパー)によって異なる。最も警戒すべきは組合単独でできてしまう処分禁止の仮処分である。仮処分を受ける側の言い分を事前に聞くことはない。裁判所から執行官が来て中に入ってくる(合鍵も使う)。別に処分するおそれなどないと思うのだがあえてやって精神的ダメージを与えるつもりなのであろう。あれほど愛想のよかった組合が豹変する。しかし組合の愛想のよさはそもそもあまり信頼しない方が無難だ。